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LPガスは災害対策に効果大!灯油/A重油との違いと切り替えるメリット

介護・福祉施設において、災害対策をどのように講じるのかは重要な課題の1つです。いざという時に備えて、安定的なエネルギー供給体制を確保するための対策を講じておきたいと考えている施設管理者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、災害に強いとされるLPガス(プロパンガス)の特徴や灯油/A重油との違いについて、わかりやすく解説しています。老健施設におけるLPガスの導入事例もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

LPガスとは何か

LPガスとは、プロパンやブタンを主成分とする「液化石油ガス」のことです。ガスを充てんした容器をガス会社が配送することにより、事業所や家庭へと供給されます。はじめに、LPガスの主な特徴を見ていきましょう。

 

特徴1:環境に優しい

LPガスは環境に優しいエネルギーといえます。燃焼時のCO2排出量が灯油/A重油などの燃料油と比べて少ないからです。燃料油からLPガスへと転換することによって、CO2排出量を15〜30%程度削減できます。

また、LPガスは燃焼時に有害物質をほとんど出さないクリーンエネルギーです。煤(すす)や灰も発生しないことから、環境負荷を抑えつつ衛生的に利用できます。地球温暖化への対策が求められる昨今において、いっそう注目されていく可能性のある燃料といえるでしょう。

 

特徴2:可搬性に優れている

LPガスは可搬性(持ち運びやすさ・移動しやすさ)に優れたエネルギーといえます。圧力を加えることで容易に液化し、体積が気体の約250分の1となるため、大量のエネルギーをコンパクトな容器で運べるからです。容器に充てんし、必要な場所へと速やかに設置できることから、エネルギーを備蓄する手段としても優れています。たとえば、都市ガスのガス管が通っていない山間部や離島などの場所でも、LPガスであればエネルギー供給が可能です。

 

特徴3:強靱な供給体制

強靱な供給体制が確立されていることも、LPガスの大きな特徴の1つです。主要な輸入業者および販売事業者には、石油備蓄法という法律によって「供給連携計画」の策定が義務付けられています。また、国による備蓄基地が全国5カ所に設けられており、約150万トン(輸入量の約50日分)が常時備蓄されている点も大きな強みです。このように、安定的な供給を実現するための体制が整っていることは大きなメリットといえるでしょう。

 

特徴4:災害時に強い

LPガスは、液化した状態でシリンダーに充てんして供給される分散型エネルギーです。電力などを介することなく稼働できるため、災害に強いという特徴があります。例えば老健施設であれば一般的に6本以上のシリンダーが設置されているため、エネルギー源として一定期間利用可能です。

 

LPガスと灯油/A重油の違い

 

事業用・家庭用エネルギーとして、LPガスの他に灯油やA重油といった燃料油が挙げられます。灯油/A重油と比べて、LPガスが優れている点を見ていきましょう。

 

劣化しないエネルギー

LPガスは長期にわたって劣化しにくいエネルギーです。灯油/A重油はおよそ3カ月〜半年ほどで劣化が始まります。たとえ使用していない場合でも、定期的に新しいものと交換しなくてはなりません。一方、LPガスは半永久的に劣化しないことに加え、機材を腐食させるリスクもないことから、長期にわたる保存が可能です。

 

復旧が早く、災害に強い

災害時の復旧が早いことも、LPガスの大きな特徴の1つです。災害発生に伴いガスの供給が一時的に遮断されたとしても、個別に調査・点検を実施することにより早期復旧を実現できます。また、供給事業者による安定的な配送体制が確立されていることも、LPガスの強みといえるでしょう。

 

発電にも利用できる

LPガスは熱源のほか、発電にも利用できます。災害発生時など、電力系統が停止している状態でも電気を使える点が大きなメリットです。電力が復旧するまでの間、代替エネルギーとしてさまざまな場面で活用できる汎用性の高さは、LPガスの大きなメリットといえます。

 

灯油/A重油からLPガスに切り替えるメリット

 

現在、灯油やA重油を燃料として利用している施設において、エネルギー源をLPガスへと切り替えることで具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主な3つのメリットを紹介します。

 

BCP対策を講じられる

灯油/A重油からLPガスへと切り替えることは、BCP対策としても有効です。BCPとは、事業者が災害や事故などの緊急事態に見舞われた場合に備えて、事業の継続・復旧に向けた計画を立てておくことを指します。

LPガスで稼働する非常用発電機を利用することで、商用電力が停止した場合も燃料油式発電機よりも長い時間発電が可能になります。電力の復旧を待つことなく、自立操業を継続できる点が大きなメリットです。なお、介護施設に関してはBCP対策を講じるよう、法律で義務付けられています。法律に則ったBCP対策を講じたい事業者様は、LPガスへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

 

コスト削減と環境負荷軽減を両立できる

LPガスを燃料として発電し、その際に生じた廃熱を回収・利用するコージェネレーション(熱電併給)システムを導入することで、電力の一部および冷暖房、給湯などに必要なエネルギーをまかなえます。熱と電気を無駄なく利用できるため、LPガスが本来備えているエネルギーを効率よく活用できる点がメリットです。コスト削減と環境負荷軽減を同時に実現できる点は、LPガスへと切り替えるメリットの1つといえます。

 

老健施設におけるLPガスの導入事例

 

老健施設において、LPガスを用いたコージェネレーションシステムを導入した事例を紹介します。この施設では従来、オール電化を導入していました。しかし、日常的に湯切れや出力不足や電力価格の上昇による経費圧迫の問題を抱えていたことに加え、停電時にはすべての設備が停止してしまうことから、災害を想定した対策を講じる必要がありました。

そこで同施設では、オール電化からオールガス化へと切り替えることにしました。LPガスで稼働するマルチ給湯器へと切り替えや、コージェネレーションシステムから出る廃熱を有効活用することで、湯切れや出力不足といった課題が解消されただけでなく、燃料費削減とメンテナンス低減による業務効率化を実現できました。また、停電時の自立操業が可能になり、災害に強い仕組みが確立された点も大きなメリットです。LPガスの強みを活かしつつ、効果的なBCP対策を講じた事例といえるでしょう。

 

灯油/A重油からLPガスへの切り替えは災害対策として有効

【LPガスのメリット】

  • 調達性/可搬性/汎用性/保管性に優れている
  • CO2排出量が灯油/A重油と比べて少ない
  • 分散型エネルギーのため災害に強い
  • 熱源のほか発電にも利用できる
  • コスト削減と環境負荷軽減を両立できる
  • BCP対策としても効果的

灯油/A重油からLPガスへとエネルギー源を切り替えることで、上記のメリットを得られます。災害に強い施設を目指したい事業者様は、灯油/A重油からLPガスへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

アストモスエネルギーでは、災害に強い施設づくりのサポートを行っています。LPガスへの切り替えを検討している事業者様、災害対策を強化したい事業者様は、ぜひアストモスエネルギーにご相談ください。

 

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